「名馬」を語る 故・伊藤雄二調教師に導かれ…。史上初、札幌記念の連覇を成し遂げた名牝エアグルーヴの歩みを振り返る。 2022年8月20日 1997年夏 - 秋のG1戦線へ向け、挑戦者として参戦した札幌記念 デビュー前から伊藤雄二調教師を虜にし、1996年にはダイナカールとの親子2代でのオークス制覇を達成したエアグルーヴ。 だが期待馬ゆえプレッシャーだろうか。その後の秋華賞では、周囲の勝ちたい気持ちが空回りしてしまったかのように調整が失敗する。その上、当日... ばん
「名馬」を語る 我こそは“ふるつわもの”。関屋記念3戦2勝のタフガイ、ダイワテキサス。 2022年8月12日 古兵。ふるつわもの。― 多くの戦を経験した老巧の武者。転じて、その道にかけて経験・年功を積んだもの。響きがよい言葉ではないか。同じ意味を持つ「古豪」という言葉がある。個人的な主観ではあるが、「ふるつわもの」は「古豪」よりも不器用な感じがする。そして「古豪」よりも何かしらこだわりを感じさせる。ダイワテキサスにはこの「ふる... 林田麟(りんだりん)
「名馬」を語る 「さよならは言わない」。真夏の思い出に残る快速牝馬、サンアディユ 。 2022年7月31日 新潟競馬夏の開幕を飾る重賞、そして今や夏競馬の風物詩となった重賞「アイビスサマーダッシュ」。新潟競馬場改修後に作られた1000m直線コースを駆け抜ける、年に1度のG3競走です。 21世紀に入ってから創設された比較的新しい重賞競走ながらも、現在では「夏競馬と言えば」という代名詞的なレースとしてあげられるほど。そしてこのコ... zakkey(ザッキー)
「名馬」を語る 「世界の競馬」を教えてくれた馬、ディアドラ。 2022年7月26日 憧れのワールドツアー 競馬漫画の金字塔『みどりのマキバオー』には、次のようなエピソードがある。主人公・ミドリマキバオーのライバルであるカスケードは、無敗で朝日杯3歳Sを制すると、国王からの招待を受けてドバイへと旅立った。そこには地元UAEはもとより、イギリス・フランス・アメリカなど、世界各国から招待を受けた強豪4歳馬が... 縁記台
「名馬」を語る メジロ牧場、最後の輝き・ユーロビート 2022年7月18日 2011年4月27日。衝撃のニュースが競馬界を駆け抜けた。 ──メジロ牧場、解散へ。半世紀に亘る歴史に幕。 メジロアサマ・メジロティターン・メジロマックイーンによる父仔三代の天皇賞制覇、メジロラモーヌによる史上初牝馬三冠、メジロライアンとその仔メジロブライト、メジロドーベルが果たした記憶に残る数多のG1制覇、そして個性... norauma
「名馬」を語る ルヴァンスレーヴ - 日本のダート界を吹き抜けた熱き風 2022年7月12日 2018年7月。この月の末日をもって、10年超勤務した会社を退職することが決まっていた私は、後任への引き継ぎ、そして、かつて担当したお客様への挨拶回りに追われていた。その挨拶回りの中で分かったのは、意外にも競馬好きが多かったこと。競馬の話を1つ2つしておけば、あのときの商談はうまく進んでいたかもしれないのに……。今さら... 齋藤 翔人
「名馬」を語る ライバルとの激闘と別れ…。メジロベイリーの、短くも濃い現役生活を振り返る。 2022年7月8日 2022年6月28日、メジロベイリーが繋養先の東北牧場フォレブルーで老衰のため亡くなった。24歳だった。通算成績は7戦2勝。現役生活は、同時にケガとの戦いになったものの、短くも太く、非常に濃いものだった。 名門メジロ牧場が生産した最後のGI馬としても知られるメジロベイリー。ただ、それ以外にも注目される点がいくつかあった... 齋藤 翔人
「名馬」を語る 日本一の速さで世界を駆け抜けた、国際派ダート馬・マテラスカイ。 2022年7月5日 条件戦を際立つパフォーマンスで突破し、勢いそのままに古馬重賞へ挑む馬には、独特の魅力がある。 「前走の内容は圧倒的。ここも通過点。まだまだ底は見せない」 「いや、ここは一気の相手強化となる。ペースも違うし経験不足。そう簡単にはいかないのでは?」 競馬ファンは思い思いの評価を下し、その結末を予想する。そして多くの場合、歴... norauma
「名馬」を語る 平坦小回り時代のCBC賞巧者 〜 ゴールデンロドリゴ 2022年7月3日 CBC賞は私が競馬を始めた1990年代前半は6月に開催される重賞だったが、1996年に中央競馬の開催日程が大幅に変更された際に11月の開催となり、2000年には12月の開催となった。その後、また6月の開催に戻るのだが、私にとって思い出の深いCBC賞は2004年の12月に行われていた時期である。当時は中京競馬場の改装前で... T.Notani
「名馬」を語る 負けに価値あり。2019年クラシックを戦ったヴェロックスを振り返る。 2022年7月2日 上半期を締めくくる宝塚記念から3日後の2022年6月29日、ヴェロックスの競走馬登録抹消を伝えるニュースが流れた。今後は京都のカシオペアライディングパークにて乗馬になるという。第二の馬生が決まったのはひと安心だ。一方で、なんとなくひっそりと報じられたこのニュース、知らなかった方もいるのではないか。もっといえば、ヴェロッ... 勝木 淳