「名馬」を語る いつかまた、貴女の夢を - シンハライト 2022年9月16日 「もう、競馬場で会えないんだな……」 競走馬引退の報を目にする度、私は茫漠とした寂寥の念を覚える。 傑出した成績を残した競走馬には引退式が執り行われ、名残惜しさを残しつつも惜別の拍手を送る機会が与えられるが、誇らしげに花道を歩んでセカンドステージへ向かえる馬はごく一部。多くの競走馬はひっそりと──あるいは予期せぬ形で... norauma
競馬を学ぶ [追悼 エリザベス2世]現代競馬の礎を作ったエリザベス2世を悼む。 2022年9月11日 イギリスの女王エリザベス2世が9月8日(現地時間)、滞在先のスコットランドのバルモラル城で亡くなられた。96歳であった。ほんの2日前の9月6日にイギリスの与党である保守党の党首選挙に勝利したメアリー・エリザベス・トラス(リズ・トラス)氏を新首相に任命。トラス氏と握手するエリザベス2世の写真がニュースで伝わった。それから... おかの ひろのぶ
「名馬」を語る アルコセニョーラ - いつも笑顔をくれるタフなステイ牝馬 2022年9月10日 もう「アラフォー」を名乗れるタイムリミットが近づいてきた私。 最近はなんだか涙腺が緩みやすくなっているらしく、これも齢のせいか、と感じることが多い。 参観日で真っ直ぐ手を挙げて真剣に黒板を見据える子の姿にこみあげ、このご時世で久方ぶりに会った老父が急に小さくなったように見えてはこみあげ、TVロードショーで身軽になったラ... 枝林 応一
「名勝負」を語る 夢のマッチレース - 1992年・京王杯オータムハンデ/トシグリーン 2022年9月9日 ダービー馬の仔がダービーを制する時代 歴代のリーディングサイアーを暇なときに眺めるのが好きだ。 その年その年の思い出と活躍馬をダブらせていくと、自分だけのyear albumが完成する。パソコンに向かって酒を飲みながらサイアーランキングを見ていると、懐かしい馬たちが昨日の事のように蘇る。 リーディングサイアーというもの... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る そんなステイにまた騙されて - マイネルファンロンの2021年新潟記念 2022年9月4日 オルフェーヴルやゴールドシップのやらかしに、どこか頷いた自分がいた。そして必ずステイゴールドの現役時代に記憶が飛んだ。人気が急落した途端に激走、なかなか勝たないGⅠ、7歳の暮れ、エクラールとの激闘、シャティンの歓喜。ステイゴールドの競走生活はいつも人を欺き、それでも期待を込めて信じ続けた人々を救ってきた。種牡馬になって... 勝木 淳
「名勝負」を語る 白毛一族は芝でも重賞を勝てる - 2020年札幌2歳S・ソダシ 2022年9月3日 流行語大賞に選ばれた「そだねー」という言葉を覚えているだろうか? 2018年平昌五輪女子カーリングで銅メダルに輝いたLS北見の選手がコミュニケーションを取るのに使っていた北海道弁である。標準語に訳すと「そうだね」という意味だ。そのLS北見の支援者である國分純氏が自身の所有馬に「ソダネー」と名付けた。ちなみにソダネーの母... T.Notani
「名馬」を語る 北の大地に描いた未来予想図 - トラストが描いた"夢" 2022年9月3日 プロローグ 「地方所属馬、地方からの移籍馬が中央で勝利する!」競馬場でそうしたシーンを見ると、うれしくなる。 子供の頃、大井からダービーを目指して移籍してきたハイセイコーで競馬を知った。叔父に連れて行ってもらった京都競馬場のパドックでハイセイコーに会ったことが「趣味は競馬」を掲げるきっかけになったような気がする。 社... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 悲願の重賞制覇、その光と影。2016年新潟記念を振り返る。 2022年8月29日 夏競馬特有のトピックスといえば『初重賞制覇の人馬』が挙げられるでしょう。たとえば、2022年の夏競馬でも今村聖奈騎手、杉原誠人騎手など初重賞制覇の騎手、馬では長い休養期間を経て初重賞制覇したウインカーネリアンがいました。 新潟記念も初重賞制覇の馬が多いレースです。今回は2016年にアデイインザライフが制した新潟記念を振... 屋台の二代目
「名馬」を語る 夏の終わりに開いた「早咲き」のお嬢さま - ダイワルージュ 2022年8月26日 ゴンドラ席と新潟3歳ステークス 近頃の私は、スタンド上層階の指定席に座ってレースを観戦することが多くなった。 しかし90年代の競馬観戦は、開門と同時にダッシュして目当ての場所にレジャーシートを敷くことからスタート。ゴール板手前のフェンスの最前列に陣取って、通過する馬たちの蹄音を耳へ流し込むことが「競馬観戦の証」だった。... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る オーシャンブルー~七つの芝、七つの勲章~ 2022年8月23日 七つの海(ななつのうみ) the Seven Oceans南・北太平洋、南・北大西洋、インド洋、南極海(南大洋(なんたいよう))、北極海の七大洋をいう。(後略)出典小学館 日本大百科全書(ニッポニカ) 2006年・菊花賞で英雄ディープインパクトに三冠を取らせまいと最後まで食い下がったアドマイヤジャパンが、穏やかな眼差し... 枝林 応一