「名馬」を語る マーベラスサンデー - 父の苦難をなぞるかのように苦闘を続けた末に輝いた栄光 2024年8月18日 木々の緑が碧さを増し、東京競馬での連続GⅠ 開催が終わると、少し間を空けて宝塚記念がやってくる。「有馬記念の関西版」や「初夏のグランプリ」とも呼ばれる宝塚記念は、有馬記念と同様にファン投票を実施し人気投票により出走が決定する競走。阪神競馬場芝2200mで争われる上半期の総決算のこのレースは、異なる二つの貌を持っていると... 高橋薫
「名馬」を語る その思い出はポケット一杯に - タスカータソルテ 2024年8月18日 それはもう、15年近く前のこと。最初は、その名前に惹かれた馬だった。その荒削りな走りに、心を奪われた馬だった。その気まぐれな走りに、もどかしさを感じた馬だった。 タスカータソルテ。 その名の意味は「ポケット一杯の幸せ」。心温まるネーミングだ。ダービー馬、ジャングルポケットの初年度産駒にして、その想いを受け継いだ1頭。 ... norauma
「名馬」を語る 北の大地のドリームレース。札幌記念の価値を高めたエアグルーヴ 2024年8月17日 「札幌記念をGⅠに」 名伯楽・伊藤雄二は調教師時代、何度もそんな主張を口にしている。もちろん、自身が夏の北海道滞在を楽しみにしていたという面もあるが、やはり本州より涼しい北海道で長距離輸送をせずに出走できる環境は、馬にとって負担が少ない。馬優先を貫く伊藤雄二が北海道を愛した理由はここにある。いかに馬が気分よく、心身とも... 勝木 淳
競馬と「エンタメ」 ウマ娘 [ウマ娘]「華やかさ」が似合う、強く、逞しく、美しい名牝 - デアリングハート 2024年7月28日 1.デアリングハートの「華やかさ」 2024年2月4日、Cygamesが手掛けるメディアミックスコンテンツ『ウマ娘 プリティーダービー』の5thイベント東京公演「YELL」にて、ゲームのメインストーリー第2部の情報が初公開された。 メジロマックイーン・ナリタブライアン・スペシャルウィークらを主人公に据えて、主にシニア級... 縁記台
「名馬」を語る 「ドトウの執念!」を生み出した原点/メイショウドトウの中京記念制覇 2024年7月21日 中京記念の変遷を紐解く 現在の中京記念は「灼熱のマイル戦」。35℃を超える猛暑の中、馬も騎手もスタンドの観客も、汗まみれになって熱戦を繰り広げるレースである。しかし、遥か昔は「春を告げる、尾張名古屋の名物重賞」のポジションだった。 1990年代から2000年代前半の頃。大阪杯も高松宮記念も無く、春の関西古馬G1は天皇... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る 函館2歳Sを制し、桜花賞候補と囁かれながらも片目を失ってしまった素質馬、ニシノチャーミー 2024年7月14日 暑い夏が訪れ、函館2歳Sが近付くと、思い出さずにはいられない1頭がいる。 現役生活中に不慮の事故で、片目を失なう不運にみわまれながらも、GI桜花賞へ果敢に挑戦したニシノチャーミーだ。 ニシノチャーミーは、父サクラバクシンオー、母ブランドミッシェルという血統を持つ。 父は言わずと知れた快速馬・サクラバクシンオー。短距離を... happy_keiba_life
「名馬」を語る 故郷に錦を。マイネルミラノと丹内祐次の函館記念 2024年7月14日 「マイネルミラノ、丹内祐次! 地元函館で重賞勝利!」 曇天の空に実況アナウンサーの声が響き、黄金色のたてがみをなびかせながら一頭のステイゴールド産駒が悠然と駆け抜けていった。 その背にはマイネルの勝負服を着た一人の男。満面の笑みを浮かべながらぐるりとコースを一周し、詰めかけた地元ファンの前で何度も天に拳を突きあげている... norauma
「名勝負」を語る 南半球産の怪物の誕生 - ロックドゥカンブが無敗で重賞初勝利した2007年ラジオNIKKEI賞を振り返る 2024年6月30日 南半球は季節が逆転する 競馬は大人の娯楽と言われるが、小学生からゲームで競馬を覚え、そしてテレビで本格的に毎週観戦するようになると、世間の一般常識も普段の生活や勉強よりも先に競馬を通じて覚えることが多い。例えば「東雲」「斑鳩」等の読み方、「如月(きさらぎ)」「皐月」等の旧暦、さらには「Allure(アリュール)」「Pr... ムラマシ
「名勝負」を語る 希望の光が放たれたゴール前。ヨカヨカの北九州記念 2024年6月30日 2021年8月22日、雨の小倉に希望の光が降り注いだ。 熊本で生まれたヨカヨカが北九州記念を勝った。熊本産初のJRA重賞勝利。フィリーズレビュー、葵S2着と惜しい競馬が続いていた。あと一歩。されどその一歩が遠い。1.06.4で駆け抜けた小倉CBC賞でさえ5着。どんなに懸命に走っても手が届かない。重賞タイトルは重く、ヨカ... 勝木 淳
「名馬」を語る 「モデルチェンジ」による帝王戴冠。2016年、コパノリッキーの躍進を振り返る 2024年6月26日 1.同郷の名馬2頭 「2016年に活躍した、ヤナガワ牧場の生産馬と言えば?」という問いを競馬ファンに出したとしたら、おそらく十中八九「キタサンブラック」という答えが返ってくるだろう。 2010年代の日本競馬を代表する名馬・キタサンブラック。「顔が二枚目」という理由で北島三郎オーナーが購入したこの馬は、古馬となった201... 縁記台