1.名馬の「母」ファレノプシス 私がファレノプシスという馬の名を認識したのは、ある「名馬」の「偉大なる母」としてである。このように書くと、「姉」の誤字ではないかと訝る競馬ファンが殆どだろう。ファレノプシスはダービー馬キズナの半姉としても有名である一方で、母としては重賞馬を出しているわけでもないからだ。しかし、「母」で間...
- 「名勝負」を語る8万人以上の観衆が目撃した大脱出マジック〜2009年・安田記念〜2020年6月6日
- 「名馬」を語る今度こそ、何度でも。カレンブーケドール、どうか大輪の花を。2022年1月15日
- 「名馬」を語る君と感じた爽やかな風を想う〜私の青春、エアスピネル〜2022年12月31日
- 「名勝負」を語るその葛藤に、用がある。 ~2001年 宝塚記念に寄せて2018年6月22日
- 「名馬」を語る馬産地・青森より、愛をこめて。 - 青森県出身の2歳女王・タムロチェリー2023年1月3日
- 「名馬」を語るとにかく"逆をいく"馬。若駒時代の達観したゴールドシップの魅力を振り返る。2023年5月26日
- 「名勝負」を語るきみがいない未来と、パンサラッサのこと - 2022年・天皇賞(秋)2022年11月2日
- 競馬を学ぶ競走馬に会いに行く際、絶対に守ってほしい『牧場見学の9箇条』とは?2021年4月4日
コラム・エッセイ
彼が走っていたのはもう15年以上も前だから、ずいぶんな昔話になってしまう。トウショウナイト。気が強くて、不器用で、難しくて、闘志に溢れた武士沢友治騎手の最愛の相棒である。 彼が天に召されたのは2008年。7歳の春。 大目標である天皇賞・春を4日後に控えた最終追い切り。武士沢騎手を背にした彼は、残り200m地点で右前脚に...
2001年にスタートした『JBC競走』は、すっかり関係者やファンに定着。「地方競馬の祭典」や「ダート競馬の祭典」、「下半期のダート王者決定戦」といわれるようになった。当初は「スプリント」と「クラシック」の2競走でスタートしたが、2011年に「レディスクラシック」が創設。2020年からは「2歳優駿」がスタートし、年々と規...
京浜運河の向こうを走るモノレール 「アツシ、大井の1200は面白れぇぞ」 築地市場に勤めていた時分のこと。小さいころからよく知る兄貴分に大井に誘われた。もちろん、大井にはそれ以前から何度も足を運んでいたが、築地で働くようになると、地方競馬を勧められる回数が増えた。早朝から働き、土曜日も仕事がある築地では、地方競馬を愛す...
将来を嘱望される多くの馬が、その未来を見据え、芝ダート問わず本格始動する秋。激化するクラシック路線や古馬路線の戦い──そして2歳路線もまた、翌年のスター候補が続々と姿を現し、師走の夢舞台への期待が大きく高まっていく時期である。 芝路線ではサウジアラビアRCを皮切りに、皐月賞や桜花賞、そしてその先の府中を目指し様々な重賞...
あの日、僕らは沈黙に包まれた。言いようのない感情に心が支配された。 1998年11月1日、1枠1番1番人気、サイレンススズカ。府中の魔物に飲み込まれ、スピードの向こう側へと駆けて逝った瞬間を陳腐な表現で語るなら、絶望、悲愴、喪失感。それまで彼の勝利を、活躍を願っていとわなかった我々の想いは、一瞬にして飲み込まれた。 そ...
無事之名馬、メイショウサムソンの記憶 私が競馬を意識し始めたころに応援していたのは、メイショウサムソンであった。 皐月賞、ダービーの二冠制覇をリアルタイムで目の当たりにしたことは記憶に無いものの、2007年天皇賞(秋)でのパフォーマンスに衝撃を受けたのは覚えている。最内で逃げるコスモバルクの背後にピッタリ付け、直線に入...
いわゆる"ライバル対決"は、スポーツにおける醍醐味の1つである。特に競馬の場合、動物(馬)であるが故に不可抗力・偶発的な出来事が多い。それらも含めた積み重ねの上でライバル対決が実現するからこそ、競馬ファンはライバル対決に魅了されるのであろう。 さて、皆様は競馬界のライバル対決といえば、どの馬たちのどのレースを思い浮かべ...
年齢を重ねていくと、人生のターニングポイントとなる年が必ずある。 毎週を「競馬開催メニュー」で区切っていけば、それを52回繰り返すと一回りする。そこには、様々な世代のヒーロー、ヒロインが登場し、52週の物語を作り上げていく。私たちは競馬場で、あるいはモニターで、彼らの命を懸けた疾走に喜怒哀楽を爆発させて、毎週の「競馬開...
2023年10月20日。ダーレージャパンの公式X(旧ツイッター)が、ホッカイルソーの死去を発表した。31歳。年齢を考えれば大往生といえる生涯だった。 菊花賞の週に伝えられた訃報。それは、私にとってなにか運命を感じずにはいられないものだった。というのも、ホッカイルソーの存在をそれまでよりも強く感じはじめたのが、95年の菊...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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