「名馬」を語る ルヴァンスレーヴ - 日本のダート界を吹き抜けた熱き風 2022年7月12日 2018年7月。この月の末日をもって、10年超勤務した会社を退職することが決まっていた私は、後任への引き継ぎ、そして、かつて担当したお客様への挨拶回りに追われていた。その挨拶回りの中で分かったのは、意外にも競馬好きが多かったこと。競馬の話を1つ2つしておけば、あのときの商談はうまく進んでいたかもしれないのに……。今さら... 齋藤 翔人
「名馬」を語る ライバルとの激闘と別れ…。メジロベイリーの、短くも濃い現役生活を振り返る。 2022年7月8日 2022年6月28日、メジロベイリーが繋養先の東北牧場フォレブルーで老衰のため亡くなった。24歳だった。通算成績は7戦2勝。現役生活は、同時にケガとの戦いになったものの、短くも太く、非常に濃いものだった。 名門メジロ牧場が生産した最後のGI馬としても知られるメジロベイリー。ただ、それ以外にも注目される点がいくつかあった... 齋藤 翔人
「名馬」を語る 日本一の速さで世界を駆け抜けた、国際派ダート馬・マテラスカイ。 2022年7月5日 条件戦を際立つパフォーマンスで突破し、勢いそのままに古馬重賞へ挑む馬には、独特の魅力がある。 「前走の内容は圧倒的。ここも通過点。まだまだ底は見せない」 「いや、ここは一気の相手強化となる。ペースも違うし経験不足。そう簡単にはいかないのでは?」 競馬ファンは思い思いの評価を下し、その結末を予想する。そして多くの場合、歴... norauma
「名馬」を語る 平坦小回り時代のCBC賞巧者 〜 ゴールデンロドリゴ 2022年7月3日 CBC賞は私が競馬を始めた1990年代前半は6月に開催される重賞だったが、1996年に中央競馬の開催日程が大幅に変更された際に11月の開催となり、2000年には12月の開催となった。その後、また6月の開催に戻るのだが、私にとって思い出の深いCBC賞は2004年の12月に行われていた時期である。当時は中京競馬場の改装前で... T.Notani
「名馬」を語る 負けに価値あり。2019年クラシックを戦ったヴェロックスを振り返る。 2022年7月2日 上半期を締めくくる宝塚記念から3日後の2022年6月29日、ヴェロックスの競走馬登録抹消を伝えるニュースが流れた。今後は京都のカシオペアライディングパークにて乗馬になるという。第二の馬生が決まったのはひと安心だ。一方で、なんとなくひっそりと報じられたこのニュース、知らなかった方もいるのではないか。もっといえば、ヴェロッ... 勝木 淳
「名馬」を語る リスグラシュー - ハーツクライの完成形とも言える、時代を彩った歴史的名牝 2022年6月25日 「名馬には名レースあり」 競馬にはこれまで数多くの名馬が誕生してきたが、当然の如くその名馬たちには印象的なレースや特徴的な個性がある。人々の印象に残るからこそ『名馬』なのだ、とも言えるかもしれない。 そして2019年、リスグラシューという名馬が強さを残したままターフを去った。海外競走を含むG1・4勝の実績を残した"歴史... タイガーマスクG
「名馬」を語る 「名体不離」荒々しき名曲 - ドゥラメンテ 2022年6月22日 1.「荒々しく、はっきりと」 仏教用語に「名体不離」という言葉がある。仏の名前(名)と仏そのもの(体)は別々のものではなく、離れがたい関係にあることを指す。つまり、仏の名前には仏そのものの特性が表象されており、仏の有り様は名前によって規定されると考える。仏の名を唱える「念仏」の根拠となる概念である。 いきなり競馬とは関... 縁記台
「名馬」を語る 「水を得て」一変した、アジサイの花のような馬~トーホウシャイン 2022年6月18日 こんな梅雨の時期に観たくなる映画がある。私が好きなのは『いま、会いにゆきます』という映画だ。小説が原作で2004年に公開された作品。亡くなったはずの妻が、梅雨の時期の6週間だけ現世に戻ってきて夫と子供と3人の共同生活を送るというストーリーだ。けれど、梅雨が明けてしまうと、また“あちらの世界”に帰ってしまうので、6歳の息... 並木 ポラオ
「名馬」を語る ウイニングチケット〜すべては、この熱き日のために〜 2022年5月29日 日本の、とある名騎手が言った。「ダービーを勝てたら、騎手を辞めてもいいというくらいの気持ちで臨む」 その騎手は後年、ダービーを勝った。さすがにすぐに騎手をやめることはしなかったが、リーディングジョッキーにも輝いたことのあるその騎手にそこまで言わせるダービーというレースは一体何なのだろうか──。 1780年、イギリスで創... ひでまさねちか
「名馬」を語る アドマイヤリード - 唸る豪脚、迸る根性 2022年5月15日 2022年……すでにこの世を去ってから7年が経ったというのに、現役最年少が7歳世代だというのに、ステイゴールドの直仔が国内外で躍動。現役時代からステイゴールド一筋四半世紀になんなんとする(多くのステイゴールドファンの皆様の末席を汚させていただいている)私にとって、これは夢かと頬をつねり上げる日々である。 4月の中山グラ... 枝林 応一