「名馬」を語る アドマイヤマーズ~最大で最高の讃美歌を~ 2021年5月7日 2002年、夏。北海道の牧場で、ある大物馬主と開業前の調教師が出会った。そしてその場で「開業してから俺が面倒を見てやる」と調教師と口約束を交わしたというその馬主は、約束通り自分の多くの馬達を師へ預託した。 ──そんな話から6年後の2008年、5月の京都競馬場。 その馬主、近藤利一氏が所有するアドマイヤジュピタが天皇賞春... 小早川 涼風
「名馬」を語る ライスシャワー~その魂は、今も心の中に~ 2021年4月30日 2021年の年明け、フィエールマンの引退と種牡馬入りが発表された。 勝利したGⅠは、菊花賞と2度の天皇賞春。3レースとも3000m以上のレースだった。 3000m以上のレースは、年に数回しか施行されていない。そのため“スペシャリスト”が出やすく、天皇賞春を二度勝った馬は、天皇賞秋に比べて多い。──とはいえ、それらの馬達... 齋藤 翔人
「名馬」を語る ビリーヴ〜数々の『初制覇』を運んだ名スプリンター〜 2021年4月26日 2000年11月。京都のターフで、1頭の牝馬がデビュー戦を迎えた。名前はビリーヴ。後のGⅠウイナーである。 新馬戦は1200mの短距離戦。サンデーサイレンスの仔だからもう少し長い距離を走らせたかったのかもしれないが、気性が荒いこともあって、この距離を選んだのであろう。単勝1.5倍の圧倒的人気に支持されたなか、期待に応え... 例の元上司
「名馬」を語る バウンシーチューン〜全身全霊を捧げ尽くした豪脚〜 2021年4月24日 2011年4月24日、日曜日。晴れ渡る東京競馬場で、1頭の栗毛馬による"伝説"が、始まった。2着に3馬身をつけてGⅠ皐月賞の栄冠を父ステイゴールドにもたらしたオルフェーヴル。 この勝利は、種牡馬ステイゴールドにとって初めての「土日連続重賞制覇」でもあったのだ。 ──そう、この前日、同じ府中の芝2000mで、同じステイゴ... 枝林 応一
「名馬」を語る メジロマックイーン降着から18年、娘が制した府中芝2000m~ディアジーナ~ 2021年4月24日 オークスのゲートに収まることができるのは、その世代に生まれ競走馬となった牝馬、約3000頭の内わずかに18頭。そのオークスや日本ダービー目指して、年に300頭を生産する大手牧場もある。 一方、北海道浦河町の南部功牧場。家族経営で繁殖牝馬はわずかに4頭という小規模な牧場から、オークスの出走馬を送り出した。 それが、ディア... フロリダ
「名馬」を語る あの日、友と見た“いい馬”の記憶 - ワールドエース 2021年4月23日 2014年の春、私は、自分が競馬好きになるきっかけを作ってくれた友人とともに、東京競馬場に足を運んでいた。それは私にとって人生3回目の競馬場で、誰かと一緒に行くのは確か初めてのことだった。 間近に見るサラブレッドの美しさに目を輝かせ、パドックにかじりついたり、ゴール前で声援を送るなどして、競馬と、そしてサラブレッドのか... ひでまさねちか
「名馬」を語る ニシノフラワー〜“2階級制覇”を達成した早熟の天才少女〜 2021年4月23日 2021年4月4日、大阪杯が行なわれた。 戦前に話題となったのは、三冠馬コントレイル vs GⅠ3階級制覇を狙う牝馬・グランアレグリアの対決。 大方の見立ては「この二強に、もう一頭の4歳牡馬サリオスがどこまで割って入れるか」だった。結果は、無敗の4歳牝馬レイパパレが勝利し、三強はともに敗れてしまった。 ただ、グランアレ... 齋藤 翔人
「名馬」を語る 異色の皐月賞馬、ロゴタイプ〜栄光と挫折、そして復活した王者~ 2021年4月18日 現在ほどレース体系が整備されていなかった昭和や平成の初期に、1200m以下のレースでデビューを迎えた馬が春の牡馬クラシックを勝つことは、決して珍しいことではなかった。ただ現代では、そういった馬達の大半は、デビュー前から翌春の大舞台を意識され、1600m以上のレースでデビューを迎えている。 実際、芝1200m以下のレース... 齋藤 翔人
「名馬」を語る 芦毛のアイドル・ゴールドシップが、不動の人気を確立するまで。 2021年4月17日 大昔、芦毛は走らないと言われた時代があった。しかし芦毛の活躍馬が出て以降、レース中継・現地観戦でも目立ち、人気を集めるような存在になった。例に漏れず、ゴールドシップの走りは競馬ファンを虜にした。 凱旋門賞を除き、人気は4番人気を下回ったことがなかった。常に、ファンに愛され続けたように見えるゴールドシップ。ただ二回、ファ... フロリダ
「名馬」を語る 東京競馬場、400m標識でみた夢 - イスラボニータ 2021年4月17日 競馬観戦中、ゾクゾクする瞬間はどんな場面だろうか。 自分が応援している馬が大逃げを打っているとき。これは個人的にはいつか捕まるのではと不安でしかない。逃げは強さの象徴かもしれないが、追われるものに対して追う立場は脅威であり、なにより逃避は体に悪い。 東京競馬場の残り400m標識。手綱は微動だにせず、馬なり。いわゆる抜群... 勝木 淳