それぞれの競馬愛 あの日のふるえを、わすれない~ユーバーレーベン~ 2023年3月17日 2021年5月23日、15時44分。第82回優駿牝馬。 ステイゴールドとゆかりの馬たちをただひたすらに応援し続けている私。自室の片隅、PCの液晶画面にはSNSとJRAのHPを表示し、デスクの傍らに並べた応援馬ゆかりの5枚の馬券に願いを込めながら、私はもう一方の傍らに置いたスマホで競馬中継を見つめていた。83頭目(※)の... 枝林 応一
「名勝負」を語る 坂東“女”武者、情熱の一騎駆け。 - 2006年フィリーズレビュー・ダイワパッション 2023年3月14日 「坂東武者(ばんどうむしゃ)」。昨年の大河ドラマではこのセリフが頻繁に出てきた。 ──坂東武者の世を作る!──坂東武者の名折れでござるぞ! 坂東は現在の関東地方。坂東武者は新しい時代を切り開く武勇に優れた武士というイメージだ。ダイワパッションを思うとき、坂東“女”武者というフレーズが頭に浮かぶ。 ──この年の牝馬クラシ... 林田麟(りんだりん)
「名勝負」を語る 全21戦12勝の三冠馬、ナリタブライアン。その破壊力を一番感じさせた一戦を振り返る。 - 1994年スプリングステークス 2023年3月14日 競馬の楽しみ方にある、過去・現在・未来。 当然のことながら、競馬とは『予想して馬券を買ってレースを楽しむ事』が全てではない。 競馬の楽しみ方は、「過去」「現在」「未来」の3つの視点があると、私は思っている。 「現在」には、馬券を買ってレースを見るだけでなく、ワンデーレジャーとしての競馬場での過ごし方も含まれるだろう。ま... 夏目 伊知郎
競馬を学ぶ [牝系図鑑]テーオーケインズ、レディパステルらを輩出。豊富なスタミナが武器のピンクタートル牝系。 2023年3月14日 サイアーラインや近親交配を中心に語られることが多い血統論だが、牝系を通じて繋がるDNAはサラブレッドの遺伝を語る上で非常に重要な要素を占める。この連載では日本で繁栄している牝系を活躍馬とともに紹介し、その魅力を伝えていく。今回取り上げるのは、テーオーケインズなどを輩出したピンクタートルの牝系だ。 扱いやすく、持続力があ... 貴シンジ
「名勝負」を語る [黒船賞]何度も惜敗を繰り返した遅咲きのダート馬、リバーセキトバ。第1回黒船賞で見せた、地元の意地がこもった激走を振り返る。 2023年3月13日 私はリバーセキトバの現役時代を知らない。それでも、大好きな馬の一頭だ。第1回黒船賞の映像を見た時の感動、雷に打たれたような感じというのは、現在に至るまでなかなか味わえない感覚だった。 1995年に中央・地方の交流が強化され、1997年からはダートグレード競走としてさらなる対戦の場が確立されていく。高知競馬にも交流化の波... 中川兼人
「名勝負」を語る 大衆も立ち向かいたくなる風格の予感。 - 2000年阪神大賞典・テイエムオペラオー 2023年3月13日 通算GⅠ7勝。4歳シーズン8戦8勝。 こんなプロフィールの馬は今後もう現れないかもしれない。これこそ伝説というもの。テイエムオペラオーを語る言葉は尽きることはない。そして、オペラオーを語る上でライバルの存在も忘れてはいけない。後半生のライバルがメイショウドトウならば、前半生のライバルはナリタトップロードだ。 天皇賞(春... 勝木 淳
「名勝負」を語る 薔薇は、雨上がりに咲く。 - 2007年金鯱賞・ローゼンクロイツ 2023年3月12日 久しぶりに訪れた場所の風景が、記憶の中のそれと違っていたりすることがある。それは生まれ育った故郷であったり、よく通った定食屋であったり、あるいは、いつもそこにいた誰かだったりもする。時は、一瞬たりとも止まらず流れていく。変わりゆくことこそが、生きていくことに等しい。けれども、変わりゆくなかで、忘れたくないこともある。 ... 大嵜 直人
「名馬」を語る 消えかかっていた、偉大な血を携えて。ラストインパクトの挑戦を振り返る。 2023年3月12日 1994年──漆黒の馬体、シャドーロールの怪物に魅了されてから幾年もの時が流れた。その間、競馬から多くのロマンと感動をもらったが、それと同じくらいJRA銀行に対価を納めているのも間違いない。 私を競馬の世界に導いてくれたナリタブライアンは、引退して僅か3年でこの世を去った。 残された産駒は2世代のみ。今では血も途絶えか... 真実 良
「名勝負」を語る 静寂に包まれた阪神競馬場で見せた、絶対王者オジュウチョウサン衝撃の走り。 - 2020年・阪神スプリングジャンプ 2023年3月12日 2020年3月14日。スタンドにひとっこ一人いない、静寂に包まれた阪神競馬場。どこか物寂しいその空間に、レコードの赤い文字を刻みつけた馬がいた。彼の名前はオジュウチョウサン。絶対王者が帰還を告げた、2020年阪神スプリングジャンプについて今回は語らせて頂きたい。 阪神スプリングジャンプは、1999年から施行されている障... 鳥野 紗々実
それぞれの競馬愛 表参道から引退競走馬支援を。〜TCC JapanのBAFUNプロジェクトについて〜 2023年3月8日 人生は持ちつ持たれつ。孤独を受け入れ、たった一人でこの世界を歩み続けるのは容易くない。孤独を感じたとき、同時に押し寄せる途方もない絶望感は一人で生きる辛さを本能的に避けるためにある。 人馬の関係もまた同じ。持ちつ持たれつだ。日本人と馬との関係は5世紀ごろに始まったとされる。朝鮮半島を経由して馬はこの国に入ってきた。馬飼... 勝木 淳