「名馬」を語る 戦うたびに己を鍛え、荒野を駆け抜けた。野武士のような二冠馬、メイショウサムソン。 2023年5月27日 "メイショウ"松本好雄氏から旧約聖書士師記に登場する怪力の士師"サムソン"と名付けられた優駿は、その名の通り闘いを重ねることで己を鍛えた。 実戦にて己を鍛錬し続け、松本好雄氏にダービーオーナーという勲章をプレゼントした孝行息子。その姿は、まさに野武士の如くターフを駆け抜けるそのものだった。 日本基礎輸入牝馬を継ぐ血。 ... 真実 良
「名勝負」を語る 196,570人の「ナカノコール」。アイネスフウジンが制した1990年東京優駿。 2023年5月27日 私の夢は「東京優駿を“現地観戦”すること」だった。 「東京優駿」「とうきょうゆうしゅん」「トウキョーユウシュン」。 私は、耳触りの良いこのフレーズが大好きだ。 5月の最終、もしくは6月の最初の日曜日。梅雨明け前の晴れた日に開催される2分30秒足らずのドラマを、「1年で一番熱い日」として毎年心待ちにしている。 私が初... 夏目 伊知郎
「名馬」を語る pick とにかく"逆をいく"馬。若駒時代の達観したゴールドシップの魅力を振り返る。 2023年5月26日 取材で厩舎関係者の話に耳を傾けると、自分が知らなかったこと、勘違いしていたこと、わからなかったことに気づき、競馬は、外ラチの向こうとこちらで見える景色がまるで違うことを実感する。共通の体験がない私たちは向こう側を想像する術がなく、多くは勘違いだったりもする。外ラチは単なる白い柵ではない。見えない結界のようなものだ。だか... 勝木 淳
「名馬」を語る 名馬タニノギムレット。その挑戦は後世へ、そしてウオッカへ。 - 2002年日本ダービー 2023年5月23日 NHKマイルCと日本ダービーという変則二冠という発想はマツクニローテとも呼ばれ、2000年代前半のトレンドでもあった。GⅠからGⅠへというローテは現在も主流だが、マツクニローテはそんな主流とは一線を画す。なにせ中2週で日本ダービーに挑むのだ。プリンシパルSと同じ間隔で、それも春のマイル王決定戦を戦っての中2週は今では考... 勝木 淳
競馬を学ぶ [牝系図鑑]柔らかさ、持続性能の高さとパワーで活躍。ヴェラアズールやアヴェンチュラを輩出したムーンインディゴ牝系。 2023年5月23日 芝特化の由来は柔らかさ、持続力とパワーが魅力のファミリー 代表馬・トールポピー(07年阪神JF、08年優駿牝馬)・ヴェラアズール(22年JC) ムーンインディゴ 米国で生産されたムーンインディゴ。競走馬としての実績はなかったが母Madeliaが77年仏オークスなどG1を3勝。叔父たちにもG1級、重賞級の馬たちが多数いる... 貴シンジ
「名勝負」を語る 史上初のG1レースで1着同着!漫画のような決着に心躍った2010年オークスの思い出。 2023年5月21日 競馬では時として長い写真判定の末に、わずか数cmの差で明暗がはっきり別れてしまうレースがある。中でも特に有名なのが1999年の有馬記念ではないだろうか。ゴール前でテイエムオペラオーが一瞬先頭に立ったところで、外からグラスワンダーとスペシャルウィークが差してきて、最後はこの2頭が鼻面を合わせてゴールイン。その着差はわずか... ばん
「名勝負」を語る 時に運命は、コイントスのように - 2011年オークス・エリンコート 2023年5月21日 「そんなに悩むのなら、コインでも投げて決めるたら、いいんじゃないか」気怠そうに言う目の前の先輩に、私は苛立ちを覚えた。「大事なことを、コイントスみたいにいい加減なことで決められるわけないです」私は、少し憤慨して答えた。テーブルに置かれた二つのコーヒーからは、ゆらゆらと湯気が立ち上っていた。ことあるごとに、私の相談に乗っ... 大嵜 直人
「名馬」を語る 母と仔、二代の物語。優駿牝馬に挑んだ下河辺の宝物。ダイワエルシエーロとロンドンブリッジ。 2023年5月21日 ファンに愛され、一際多くのエールを浴びる馬がいる。 例えばキセキ。 競馬史に残る屈指の不良馬場で行われた菊花賞を泥んこになりながら先頭で駆け抜けた彼は、雄大すぎるほどのフットワークで国内外の競馬場を駆け抜け、持ち前の高いフィジカルを活かし、多くの名勝負の立役者となった。 菊花賞以降の4年間で遂に勝利を挙げることはなかっ... norauma
「名馬」を語る それは116年の物語。ウメノファイバーがつないだ遠い血の記憶。 2023年5月20日 1999年の競馬について記憶をたどってみる。 最近、書籍の仕事でこうやって昔の競馬について調べる機会が増えた。この頃の私はいわゆる新米競馬ファン。単勝10倍の馬の勝利に「荒れましたね」なんて訳知り顔をしてしまう初心者であり、日曜日のメインレースだけ参加するようなライトな層に属していた。もちろん、記憶がないわけではないが... 勝木 淳
競馬を学ぶ [牝系図鑑]成長力と持続性能が自慢。伝説のエリザベス女王杯の立役者テイエムプリキュアを輩出したデリケートアイス牝系。 2023年5月16日 古馬になって才能開花! 持ち前の持続力で大波乱を演出 代表馬・テイエムプリキュア(05年阪神JF、09年日経新春杯、09年エリザベス女王杯2着)・トーセンスーリヤ(20年新潟大賞典、21年函館記念) デリケートアイス 米国で生産されたデリケートアイス。デリケートアイスは現役時ブラックアイドスーザンS(G2・ダート8.5... 貴シンジ