「名馬」を語る ジャングルポケット~第三の敵を打ち破り、府中の杜に轟いた咆哮~ 2023年1月4日 ジャングルポケットの魅力は、どこにあるだろうか。 傷つき倒れた先達の意思を継いで、クラシックの勲章を勝ち取った栄光。古馬の強者どもに立ち向かい、府中の杜に勝利の雄叫びを上げた若駒の雄姿。 多様な魅力を持つ名馬であることは間違いないが、彼の横には常に”第三の敵”がいたようにも感じられる。そこがまた、ジャングルポケットの魅... 高橋薫
「名馬」を語る pick 馬産地・青森より、愛をこめて。 - 青森県出身の2歳女王・タムロチェリー 2023年1月3日 桜花賞と同じ舞台で行われる阪神ジュベナイルフィリーズは、翌年のクラシックを占う登竜門であり、心身ともに未完成な少女たちが迎える大舞台である。天性の才に恵まれてこの大一番を踏み台に更なる飛躍を遂げる馬も居れば、このレースこそが生涯最大の輝きとなる馬も居る。この舞台の後、彼女らの競走馬として歩みがどちらになるかはわからない... norauma
それぞれの競馬愛 テーマトーク [テーマトーク]ライター3名が語る、テイエムオペラオーの魅力とは? 2023年1月2日 世紀末に"覇王"として君臨し、2000年には8戦8勝という大記録を打ち立てた伝説的名馬・テイエムオペラオー。 今回は、テイエムオペラオーの魅力をテーマに、新書『テイエムオペラオー伝説 世紀末覇王とライバルたち』の執筆陣がそれぞれ語っていく。 歴史的な名馬のどこに、我々は惹かれていくのだろうか──。 血統表に隠れている、... 星海社
「名馬」を語る 「逃げろ、逃げろ、つかまるな」 - 人々を驚かせ続けた逃げ馬、メジロパーマー。 2023年1月1日 1.逃げ馬を応援するということ 「逃げたい」という言葉ほど、競馬ファンとそうではない人との間で解釈の相違が生まれる言葉はないような気がする。一般的に「逃げたい」はネガティブな言葉である。仕事から、家庭から、あるいは人生から「逃げたい」と表現する時、それは「いけないこと」というニュアンスを多分に含むだろう。しかし、競馬フ... 縁記台
それぞれの競馬愛 望遠鏡みたいなデカいカメラを提げて競馬場を低徊するオネエサンの話 2023年1月1日 競馬場には、馬券好きのオッチャンたちに紛れてデカいカメラを提げて走り回る人たちがいる。馬や騎手などの追っかけだ。 その一人が、夜明け前の品川駅にいた。大きなカメラバッグを二つも担いで、青白い顔で始発を待つ女。この日、このオネエサンの“推し”の若手騎手が中京競馬場のGⅠに出るという。それも相当の人気馬だ。デビュー9年、つ... 手塚 瞳
「名馬」を語る pick 君と感じた爽やかな風を想う〜私の青春、エアスピネル〜 2022年12月31日 青春とは、一体どこで終わるのだろうか。初めてできた彼女に振られた時、一生懸命に取り組んだ部活を引退した時、好き勝手遊んだ学生生活が終わった時──。青春そのものの終わりが人それぞれで、もしその終わりを自分で決めて良いというのなら、私の青春は2022年の秋に終わりを告げた。 私の青春は、黄色と青の爽やかな風が吹いていた。初... ひでまさねちか
「名勝負」を語る 絶対王者に食らいつく、ハナ差のマッチレース。スマートファルコンvsワンダーアキュートが火花を散らした2011年東京大賞典を振り返る。 2022年12月29日 2011年は、競馬の世界においても、記憶に残る出来事が多かったように思う。 3月のドバイワールドカップでは日本代表のヴィクトワールピサとトランセンドがワンツーを決め、そして秋にはオルフェーヴルが史上7頭目となるクラシック三冠を達成し、日本中に勇気と感動を与えてくれたこの年。 年内最後のG1レースとなる東京大賞典において... ばん
それぞれの競馬愛 [引退名馬]おかえり、さよなら、オジュウチョウサン 2022年12月28日 向正面でゲートが開くとスタンドの空気が一変した。確かな密度があって、息が詰まりそうなほどだった。最初の障害が近づくにつれて、ひとかたまりの大きな祈りに包まれているのだと察知した。どこかの国の荘厳な教会みたいに人びとは一心に全馬の無事を祈っていた。馬たちが最初の障害を飛越した一瞬、それが不意に緩んだ。どっと拍手がわいた。... 手塚 瞳
それぞれの競馬愛 カズ君とドリームジャーニー - 朝日杯フューチュリティステークス 2022年12月18日 「私の競馬仲間」について考えてみる。 一緒に仕事をしているうちに、趣味の一致ということで競馬仲間になる。あるいは、馬の話をしているうちに興味を持った仕事仲間を引っ張り込む。これらは、一緒に競馬場で競馬観戦するというより、仕事の合間に競馬の話をして盛り上がったり、仕事終わりの居酒屋でG1レースの予想を楽しんだりするパター... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る その走りに、微笑みを。 - 2020年ターコイズステークス・スマイルカナ 2022年12月18日 2020年12月19日、中山競馬場、GⅢターコイズステークス。振り返ってみると、それは一つの「最後」となったレースになった。 誰もが足早になる、師走の暮れ。感染症禍で社会が激変した年であったが、年の暮れはいつもの年と同じようにやってくる。 師走の中山を舞台に争われる牝馬のマイル重賞に、16頭の牝馬が揃った。 1コーナー... 大嵜 直人