競馬を学ぶ [牝系図鑑]柔らかさ、持続性能の高さとパワーで活躍。ヴェラアズールやアヴェンチュラを輩出したムーンインディゴ牝系。 2023年5月23日 芝特化の由来は柔らかさ、持続力とパワーが魅力のファミリー 代表馬・トールポピー(07年阪神JF、08年優駿牝馬)・ヴェラアズール(22年JC) ムーンインディゴ 米国で生産されたムーンインディゴ。競走馬としての実績はなかったが母Madeliaが77年仏オークスなどG1を3勝。叔父たちにもG1級、重賞級の馬たちが多数いる... 貴シンジ
「名勝負」を語る 史上初のG1レースで1着同着!漫画のような決着に心躍った2010年オークスの思い出。 2023年5月21日 競馬では時として長い写真判定の末に、わずか数cmの差で明暗がはっきり別れてしまうレースがある。中でも特に有名なのが1999年の有馬記念ではないだろうか。ゴール前でテイエムオペラオーが一瞬先頭に立ったところで、外からグラスワンダーとスペシャルウィークが差してきて、最後はこの2頭が鼻面を合わせてゴールイン。その着差はわずか... ばん
「名勝負」を語る 時に運命は、コイントスのように - 2011年オークス・エリンコート 2023年5月21日 「そんなに悩むのなら、コインでも投げて決めるたら、いいんじゃないか」気怠そうに言う目の前の先輩に、私は苛立ちを覚えた。「大事なことを、コイントスみたいにいい加減なことで決められるわけないです」私は、少し憤慨して答えた。テーブルに置かれた二つのコーヒーからは、ゆらゆらと湯気が立ち上っていた。ことあるごとに、私の相談に乗っ... 大嵜 直人
「名馬」を語る 母と仔、二代の物語。優駿牝馬に挑んだ下河辺の宝物。ダイワエルシエーロとロンドンブリッジ。 2023年5月21日 ファンに愛され、一際多くのエールを浴びる馬がいる。 例えばキセキ。 競馬史に残る屈指の不良馬場で行われた菊花賞を泥んこになりながら先頭で駆け抜けた彼は、雄大すぎるほどのフットワークで国内外の競馬場を駆け抜け、持ち前の高いフィジカルを活かし、多くの名勝負の立役者となった。 菊花賞以降の4年間で遂に勝利を挙げることはなかっ... norauma
「名馬」を語る それは116年の物語。ウメノファイバーがつないだ遠い血の記憶。 2023年5月20日 1999年の競馬について記憶をたどってみる。 最近、書籍の仕事でこうやって昔の競馬について調べる機会が増えた。この頃の私はいわゆる新米競馬ファン。単勝10倍の馬の勝利に「荒れましたね」なんて訳知り顔をしてしまう初心者であり、日曜日のメインレースだけ参加するようなライトな層に属していた。もちろん、記憶がないわけではないが... 勝木 淳
競馬を学ぶ [牝系図鑑]成長力と持続性能が自慢。伝説のエリザベス女王杯の立役者テイエムプリキュアを輩出したデリケートアイス牝系。 2023年5月16日 古馬になって才能開花! 持ち前の持続力で大波乱を演出 代表馬・テイエムプリキュア(05年阪神JF、09年日経新春杯、09年エリザベス女王杯2着)・トーセンスーリヤ(20年新潟大賞典、21年函館記念) デリケートアイス 米国で生産されたデリケートアイス。デリケートアイスは現役時ブラックアイドスーザンS(G2・ダート8.5... 貴シンジ
「名勝負」を語る 決して「番狂わせ」ではない。ウオッカを吹き飛ばした“アジアの風”エイジアンウインズが見せた、2008年ヴィクトリアマイルの大激走。 2023年5月14日 レースで度々目にする「番狂わせ」 「番狂わせ」は、スポーツの世界で度々起こるドラマだ。 広辞苑で「番狂わせ」を引くと、「①予想外の出来事で順番の狂うこと。 ②勝負事で予想外の結果が出ること」と記されている。 「番狂わせ」の言葉は、江戸時代から存在する言葉で、相撲の番付の下位力士が、上位力士に勝利することを指して「番狂わ... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る ダンス兄妹と府中の直線 - 2006年第1回ヴィクトリアマイル・ダンスインザムード 2023年5月14日 ダンスインザムードが出てきたとき、私は彼女に兄ダンスインザダークの面影を重ねていた。性別も毛色も違う2頭。しかし、まとった雰囲気がすごく似ていると感じていた。 2頭の母はダンシングキイ。ダンスインザダークの前にはエアダブリンとダンスパートナーも出している名牝だ。兄や姉はいずれも後方から強烈な末脚を繰り出すイメージがある... 林田麟(りんだりん)
「名馬」を語る 果敢な日本遠征と、優雅な重賞制覇。エアトゥーレやシルヴァーソニックらを輩出した牝系の祖となった外国馬、スキーパラダイス。 2023年5月12日 1990年代初頭。オグリキャップがもたらし、メジロマックイーン、トウカイテイオー、ビワハヤヒデ、ナリタブライアンらが襷を繋ぐ競馬ブームの裏で、日本馬による海外遠征の気運は落ち込んでいた。 それまで、ハクチカラの快挙以降、日本を代表する数々の名馬が新たな戦果を持ち帰らんと海を渡り、挑戦を繰り返していた。望むような成果は得... norauma
「名馬」を語る 開国元年、歴史を切り拓いた白いクロフネ 2023年5月7日 21世紀が始まった2001年は日本競馬にとって大きな節目となる一年だった。 1990年代後半、日本調教馬で初めて凱旋門賞で2着に入ったエルコンドルパサーやグランプリ3連覇を果たしたグラスワンダーを筆頭に外国産馬が躍進。日本競馬の勢力図を塗り替える勢いであった。 「強い馬同士の闘いが見たい」あるいは「外国産馬が出ないで本... 館山 速人