「名勝負」を語る 「最後」の舞台、授けられた翼 - 2007年中日新聞杯・サンライズマックス 2022年12月11日 冬が、来た。キン、と冷えた外気が、頬を刺す。首を竦める。用事を済ませてまっすぐ帰宅の途に就く。帰ったら息子とのプロレスごっこが待っている──。 2022年の冬も、雪の出脚が遅い。 昨冬も初雪は遅かったが、その分をじっくりため込んだ32秒台の末脚を爆発させたが如きドカ雪が幾度も襲い、街は止まった。そして中山の大生垣が如き... 枝林 応一
「名馬」を語る 芦毛のマル外馬クロフネが切り開いた蹄跡。 - クロフネのニッポン競馬開国史 2022年12月4日 私が子供の頃に見たマル外馬、マルゼンスキー。8戦8勝で引退したその姿は、強烈な印象が残っている。 「外国の馬は強すぎるから、ダービーに出してもらえないんだ……」 何故マルゼンスキーがダービーに出られないのかへの疑問に対する、競馬を教えてくれた叔父の回答だ。この頓珍漢な回答を真に受けて、妙に納得していたのを思い出す。 当... 夏目 伊知郎
インタビュー [インタビュー]騎手引退から20年余りの時を経て、競馬の世界へ。『馬物語』予想家、小田部雪さんの意気込み。 2022年12月4日 佐賀競馬場で売られている競馬専門紙の『日本一』が2022年7月24日をもって休刊というニュースは、多くのファンに驚きを与えた。地方競馬の売上はネット販売の追い風に乗って好況という記事も散見されるが、競馬を取り巻くその他の環境は新型コロナウイルスの影響もあり、苦境に立たされているものもある。 そんな淋しいニュースの後に、... ウマフリライター
「名馬」を語る 世紀末を生きた人たちへ。ミッキーダンスがたどり着いた混沌の先。 2022年12月4日 20世紀最後の年である西暦2000年は、ミレニアムイヤー。遠い記憶を年表とともにたぐり寄せてみる。バブル崩壊直後の90年代は不安の時代。就職難、リストラと将来を保証されないことがデフォルトになりつつある、ライフバランスの転換期でもあった。私が大学生だったころ、自立とはなにか、これからの人生観とは。そういった新しい価値観... 勝木 淳
「名勝負」を語る [ステイヤーズS]親子2代で横綱相撲。メジロブライト産駒マキハタサイボーグの2007年ステイヤーズSを振り返る。 2022年12月4日 1997年、この年はある1頭の馬が人気の中心になりクラシック戦線を沸かせていた。 皐月賞と日本ダービーでは1番人気、菊花賞では2番人気に支持され、人気の中心としてこの年の競馬を盛り上げてくれた存在──。 そう、四半世紀以上競馬を見ているオールドファンには懐かしい存在であろう、メジロブライトである。 3歳クラシック戦線で... ばん
「名馬」を語る スペシャルウィークと第19回ジャパンカップ 。「日本総大将」に立ちはだかった世界の猛者たち。 2022年11月30日 1.ゲーム『ウマ娘』が描いた第19回ジャパンカップ 2022年3月18日、Cygamesが手掛けるアプリゲーム『ウマ娘 プリティーダービー』において、メインストーリーの第1部・最終章の前編が公開された。スペシャルウィークを主人公として同世代のウマ娘との絆や激闘が描かれたシナリオは、各所で高い評価を得た。しかし、それと同... 縁記台
写真で楽しむ競馬 家宝級競馬アイテムを探せ!〜楽しい可愛い、ぬいぐるみ編③〜 2022年11月26日 こんにちは。徳澤泰明です。この連載では、皆さんがお持ちの「家宝級」ともいえるような競馬アイテムの数々を紹介しております。 今回は、ぬいぐるみ編の第三弾です。第一弾・第二弾に引き続き、珍しさはもちろん、飾り方や集め方からも熱い思いや個性が垣間見えるような楽しいお写真ばかりです。 それでは、見ていきましょう! ※他の記事と... 徳澤泰明
「名勝負」を語る ラストランは、雨の記憶とともに。 - 2009年マイルチャンピオンシップ・カンパニー 2022年11月20日 雨の日の記憶は、どこか輪郭がぼやけている。 晴れの日とは、違う風景が見られるからだろうか。 晴れた日には見えるものが、雨に濡れて見えなくなったりするし、晴れた日には見えないものが、雨に流されて見えたりもする。 競馬観戦に限らず、誰しも出かけるときは晴れていてほしいと願う。けれど、人の意思とは関係なく、時に雨は降る。 晴... 大嵜 直人
「名馬」を語る 今もなお輝く、親子三代G1制覇の大偉業。2002年マイルCS覇者トウカイポイントの軌跡を振り返る。 2022年11月17日 「ダービー馬はダービー馬から」という言葉。 秀でたスポーツ選手が引退後、そのまま優秀な指導者になるとは限らない。もちろん合致する場合もあるものの、選手と指導者が使わなければならないスキルは別次元のものだというのが個人的な考えだ。 競走馬の世界に置き換えてみても、すべての名馬が名種牡馬になれるわけでも、名牝全てが名繁殖牝... 夏目 伊知郎
「名勝負」を語る 辛苦の先に見た光…。サダムパテックと武豊騎手が掴み取った、2012年マイルCSでの白星。 2022年11月14日 2022年9月。海を渡り韓国で種牡馬生活を送っていたサダムパテックの訃報が、静かにSNS上を駆け巡った。瞬間、西日を背に淀の直線を駆け抜けた水色メンコと競馬場を包み込んだ暖かい拍手が脳裏に蘇り、私は一抹の寂しさを覚えた。 秋も深まりG1シーズンも佳境を迎える11月3週目。東では2歳の登竜門・東京スポーツ杯2歳ステークス... norauma