「名勝負」を語る 放たれた矢は終わりから始まりへ - 2000年フェブラリーステークス 2022年2月20日 冬場の地味なダート戦だったフェブラリーステークスもG1に昇格して4年目を迎えていた。 まるで田んぼのような泥んこ馬場で行われた記念すべき第1回(1997年)の王者は、岡部幸雄騎手と「嚙みつき馬」シンコウウインディだった。このレースの売上げは203億を超え前年比345%と驚異的な数字を残し、この日の東京競馬場の入場者数は... 林田麟(りんだりん)
「名勝負」を語る 1984年フェブラリーハンデキャップ ロバリアアモンvsアスコットエイトの思い出 2022年2月20日 競馬史のターニングポイントになった年、と聞いて、ここ数年間ですぐにイメージできる年はいつになるでしょうか? いろんな意見があるかと思いますが、わかりやすく決定的かな、と思えるのは、やはり日本がパートⅠ国に昇格した2007年が妥当なのかもしれません。それまでの日本のサラブレッドの、〝集大成〟みたいな活躍を見せたディープイ... 和田章郎
「名勝負」を語る [フェブラリーS]Pride of Iwate〜『水沢の』メイセイオペラが『日本の』メイセイオペラになった日〜 2022年2月18日 1999年1月31日。私は朝から東京競馬場を目指していた。その日のメインレース、フェブラリーステークスを観戦するためだったが、妙な違和感が拭えなかった。なぜなら、暦はまだ1月だというのに、メインは2月を冠するレース名だったからだ。「名は体を表していない。4月3週に開催される牡馬三冠レースの最初も『卯月賞』にするべきだな... 並木 ポラオ
「名馬」を語る 素質馬サトノレイナスが可憐に駆け抜けた、現役の全5戦を振り返る。 2022年2月12日 『緊急速報』というものは、良い報せでは無いことが多い気がする。競馬ニュースであれば、開催日でないときの速報がそれに当たりやすい。2021年クラシックを鋭い末脚で駆け抜けたサトノレイナスの引退。その一報を目にしたとき、普段同世代の「白毛のアイドル」ソダシを贔屓している私でさえ、寂しい気持ちになった。 日本ダービーまで、わ... zakkey(ザッキー)
それぞれの競馬愛 ラヴズオンリーユーを愛した、すべての人たちへ。 2022年2月11日 一体どれだけの夢を叶えたのだろう。あなたの愛馬は、とてつもないことを成し遂げた。 父がディープインパクト、そして母がラヴズオンリーミー。すなわち2016年のドバイターフを制したリアルスティールの全妹が、DMMドリームクラブの所有馬となったのは翌17年のことだった。「たくさんの人に馬主気分を味わい、感動を共有してほしい」... ハシスポ
「名馬」を語る ペルシアンナイト〜剣を教鞭に持ち替えて、騎士は再び前を向く〜 2022年2月11日 2022年、一人の騎士が剣を置いた。その騎士の名前はペルシアンナイト。2017年マイルC Sを勝利したGⅠ馬だ。彼の引退に際して、ここでその成績を軽く振り返ってみようと思う。 2歳夏に小倉競馬場でデビューを迎えたペルシアンナイトは、見事1番人気の期待に応え、初出走を初勝利で飾る。スタートでは出遅れ、直線でのフットワーク... ひでまさねちか
「名馬」を語る 雄大かつ豪快、だけどちょっと器用、じつはトレンド先駆者ブラストワンピース 2022年2月8日 かつて勤めていた出版社では新潟記念の日に競馬場へ行く、いわゆる旅打ちが恒例だった。私が参加したのは入社して最初の夏、2018年。その年の新潟記念は当時3歳だったブラストワンピースが1番人気に支持された。前日は朝から雨、馬場状態も新潟としては珍しい重馬場。午後も曇りがちで、大層涼しい一日だった。当日は天候一変、夏のカンカ... 勝木 淳
「名馬」を語る [京都記念]破竹の5連勝でG2制覇、そして年末には香港へ。ミッドナイトベットの快進撃を振り返る。 2022年2月7日 今でこそ多くの日本馬が出走し、勝利や好走をあげ、我々を楽しませてくれる香港国際競走デー。その日は日本でも、年末のビッグイベントと言っても差し支えない程の盛り上がりを見せる。 しかし、まだ香港国際競走が国内でそれほど盛り上がっていない時代──そして香港国際競走の国際グレード自体もまだG1表記ではなかった時代に、快挙を成し... 小早川 涼風
「名馬」を語る インディチャンプ~挑み続けた、マイル王~ 2022年2月6日 「ステイフーリッシュ、及ばなかったか……」 2021年12月12日、私はかたずをのんで、スマートフォンの小さな画面越しにシャティン競馬場の様子を見つめていた。地元のヴィンセント・ホー騎手を鞍上に迎えたステイフーリッシュは積極的な競馬に打って出るも直線じりじり後退し、5着に敗れた。 2001年、短波ラジオのイヤホン越しに... 枝林 応一
「名馬」を語る "名脇役"に収まらない存在感。大逃げや、惚れ惚れするような馬体……リーチザクラウンの魅力。 2022年2月6日 菊花賞当日の5レースに行なわれる新馬戦は、後のGI馬を多数輩出してきた出世レース。改めて、その実績を振り返ってみる。 2020年 1着シャフリヤール:ダービー2018年 1着ワールドプレミア:菊花賞、天皇賞・春2013年 1着トーセンスターダム:豪・GIトゥーラックH、エミレーツS2012年 1着エピファネイア:菊花賞... 齋藤 翔人