2019年6月金沢競馬場。菅原欣也調教師は管理馬の出走レースもまともに見る暇もないほど、多忙を極めていた。仕事の内容は所属馬の日常管理に出走管理、厩舎の経営などなど。仕事自体は、普段の調教師として働いている時と変わっていない。問題は、その管理する馬の数。 「あの時、120頭位はいたんじゃないかなあ」 その年末に、しみじ...
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コラム・エッセイ
日本の競馬史に燦然とその名を刻む名馬ウオッカ。ダイワスカーレットをはじめとする数多のライバルと激闘を繰り返し、勝利したG1は7つにのぼる。2019年、惜しくも15歳の若さでこの世を去ったが、史上初となる東京競馬場の古馬GⅠ完全制覇や、牝馬初の2年連続年度代表馬選出──さらには2011年には顕彰馬に選出されるなど、その数...
「世界ランク第1位」。この地球上でただ一つしかない称号である。この称号はどの分野でも憧れの物であり、同時にプレッシャーも掛かる「王者の証」である。 そして競馬界でも、世界第1位の称号はある。2014年は、その世界第1位の称号を日本馬が獲得した、記念すべき年であった。今回は「圧倒的王者」が厳しい戦いを跳ね除けた安田記念を...
一生に一度の晴れ舞台、日本ダービー。世代頂点を決める一戦ですから、どの陣営も全力投球です。それだけ重要なレースともなると、勝ち馬は勿論のこと、負けた馬たちにも多くの「未来の名馬」がいるものです。今回は「ダービーで敗北した名馬」にスポットを当ててご紹介していきたいと思います。あの名馬も、あの名馬も、実はダービーに出ていた...
日本ダービーが開催されるシーズンがやってきた。 イギリスのチャーチル元首相が「ダービー馬の馬主になるのは一国の宰相になるより難しい」と言ったとか言わないとか、そんな伝承すらある大レースだ。 毎年このシーズンになると、競馬ファンはウキウキとした気持ちになる。 ふと思い至って、実際に2400mをサラブレッドになったつもりで...
競馬にはたくさんの“格言”があるが、そのなかにこんな言葉がある。 『ダービー馬は、ダービー馬から』 ダービーを制する馬のお父さんは、やはりダービーを勝っているというもの。それでこそ競馬は血統のスポーツだということを証明することができるのだ、と。 日本の競馬史を紐解くと、ダービーの父子制覇はこれまで10組以上ある。最も古...
私が競馬を好きな理由は、主に3つある。 一つ目は、馬に関わる「人」のドラマがあるから。二つ目は、脈々と続く「馬と血統」のドラマがあるから。そして三つ目は、「デッドヒート」に代表されるような胸が熱くなるドラマチックなレース展開があるからだ。 そんなドラマチックな瞬間を目の当たりにしたときは、レースが終わった後もいつまでも...
そこで勝利することが、ホースマンにとって最高の栄誉となる特別な一戦「東京優駿・日本ダービー」。勝利した騎手は「ダービージョッキー」、調教師は「ダービートレーナー」という称号が与えられ、競走馬は一生に一度の舞台で勝利した「世代最強馬」として後世に語り継がれる。まさに格式の高い伝統の一戦だ。これまで数々の名勝負を繰り広げて...
私が競馬というものをしっかりと認識し始めたのは、たしか、4歳か5歳くらいの頃だった。 競馬好きの父親に競馬場へ連れられて行き、そこで生の競馬に感動し、騎手になりたいと思ってからの事だ。そしてその時期にデビューした1頭のサラブレッドのことを、鮮明に覚えている。その馬は「勝って当たり前」という大きなプレッシャーをはねのける...
その瞬間、その場所にいたことが、のちに密かな自慢になることがある。そして、誰かが同じ経験をしたと聞くと、妙な親近感を覚えて嬉しくなる。「おや、あなたもそこにいたんですか。実は、私もそこにいたんですよ」と。それは、魂を揺さぶる音楽だったり、スポーツの生むカタルシスだったり、あるいは身近な人の夢が形になった瞬間だったりする...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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