21世紀が始まった2001年は日本競馬にとって大きな節目となる一年だった。 1990年代後半、日本調教馬で初めて凱旋門賞で2着に入ったエルコンドルパサーやグランプリ3連覇を果たしたグラスワンダーを筆頭に外国産馬が躍進。日本競馬の勢力図を塗り替える勢いであった。 「強い馬同士の闘いが見たい」あるいは「外国産馬が出ないで本...
「名馬」を語るの記事一覧
オネエサンが初めて競馬を見たのは東京競馬場で、それもいちばん高い席からだった。 「先生」と呼ばれる人のエスコートのもと、特別な出入り口から入って、一番高いフロアまで連れられてきた。初めて見たのが1998年、エルコンドルパサーのNHKマイル。『コンドルは飛んでいく』、歌と同じ名前だと後から知った。 先生と知り合ったきっか...
1.「16年生まれ世代のマイル王者」アドマイヤマーズ。 「2016年生まれのマイル王者と言えば?」という問いを競馬ファンに投げかけたとき、多く返ってくる答えは「グランアレグリア」という名前かもしれない。安田記念・マイルチャンピオンシップ・ヴィクトリアマイルと3つの古馬芝マイルG1を完全制覇するなどG1を6勝。2年連続で...
かつては毎年のようにフェアプレー賞を受賞し、特別模範騎手賞を2度も受賞。大レースを次々と勝利した名ジョッキー、藤田伸二騎手。その名手・藤田騎手がデビューから引退までの全21戦に乗り続けた競走馬がいた。 冠名にフランス語で愛と名付けられたヒルノダムール。 その馬名の通り、多くの愛を受けながら、長距離界の頂点に立った。そし...
逃げ馬とは、どうしてこんなにも魅力的なのだろう。 サイレンススズカ、ツインターボ、メジロパーマー、パンサラッサ……どれだけ時間が経っても、瞼を閉じると破天荒な彼らの姿をすぐに浮かべることができてしまう。 最後の最後に先頭にいた者が栄冠に輝く競馬という種目において、迫る後続と絶えず鍔迫り合い、力の一滴まで絞りつくして勝利...
豪脚一気は、競馬の醍醐味の一つだ。時にその強さに驚愕させられ、時にレースを狂わせる。「差せ!」という想いが通じたレースは、記憶に深く刻まれる。 今回語るのは、豪脚でクラシック戦線に名乗りを挙げた才女である。 その馬の名はベッラレイアという。父はナリタトップロード。1999年、テイエムオペラオー、アドマイヤベガと共に“三...
「あすは檜になろう、あすは檜になろうと一生懸命考えている木よ。でも、永久に檜にはなれないんだって!それであすなろうと言うのよ」 ──井上 靖. あすなろ物語(新潮文庫) (p.38). 新潮社から引用 2018年2月。雨の小倉競馬場。2歳500万下(現在の1勝クラス)特別戦、あすなろ賞。 偶然か必然か、レース名に冠せら...
2020年の競馬は無観客の中で行われ、無敗の三冠馬コントレイルが誕生した。 翌2021年もまだ先の見通しがつかない世の中ではあったが、日本の競馬界はコントレイルを中心に動くだろうと思われた。しかし、コントレイルは古馬初戦となったGⅠ大阪杯でまさかの敗北を喫するのである。 日本競馬界の至宝ともいえる三冠馬に土をつけたのは...
競馬は時を重ねるほど、味わいを増す。いつの時代も、目の前を走る彼らに、いつか見た愛すべき誰かの面影を重ねてしまう。誰かの夢の続きを描くことも、誰かとは異なる道で個性を発揮することも、そして誰かとどこか似た道程を歩むことも、等しく尊い。 私はいつも、思い思いに願いを託し、勝手な物語を募らせてしまう。 2000年、高松宮記...
Man knows so much and does so little.(人間は知りすぎるくらい知っているが、それを実行に移すことはあまりにも少ない)R.バックミンスター フラー(1895-1983) 第57回札幌記念。緩やかな3コーナー入り口でソダシが果敢に先頭に立つ。ブラストワンピースが逃すものかと後を追う。桜花...
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語り継がれし「名馬」たち
レース回顧
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